第6回発表会報告 (OT)

 前回の発表会が2007年の12月であったから、1年半ぶりの発表会ということになる。3月末に確認したところでは、MMさんが仕事のご都合で出演できないということで、演奏者の人数が少なくて今回の発表会はかなり寂しいものになることが懸念された。しかし、APA(日本アマチュア演奏家協会)を通じてのMZさんの知り合いであるMBさんが四月の例会からナナカマドに入会してくれ、発表会にも是非出たいと言うことだったので、かろうじて十名の発表者を確保することが出来た。さらに、MZさんは武蔵野市を中心に活動するウインドアンサンブルでも活躍されていて、ご自分の発表枠のなかで、このアンサンブルと一緒に発表会に出たいと申し出た。そのためフルート独奏団ナナカマド始まって以来の異色の出演者の客演が実現した。
 さて、6月21日当日は生憎の雨でコンディションはあまり良くなかったが集合時間の九時前にすでに半数近くは会場入りしていた。ひとりで総ての伴奏を担当される坂井さんの負担が大きいので、今回は昨年徹底しなかったリハーサルの持ち時間をかなりきっちりと守ってもらうことにした。坂井さんには10時から1時間ということでお願いしてあったが、9時半には来られたので、予定より少し多目のリハーサルとなった。しかし今回大体の方は要所のみをチェックされるということに協力してくださったので、本文執筆時点で御本人の確認をしていないものの、前回よりは坂井さんの疲労が少なくて済んだことと信じている。
 個々の方の発表に関しては感想等にゆだねるが、特記すべき事としては、KMさんが高齢でフルートは重すぎるとのことで、ピッコロでの演奏となったことだろうか。後半の演奏では疲れるので椅子に座って吹かれ、最後は吹きながら退場され、聴衆の拍手をさらった。また12人のメンバーが舞台に並ぶ吉祥ウインドアンサンブルの演奏は休憩時間の間にセッティングをすることでプログラムを組んだが、特に問題はなく、あらかじめ組んで置いた進行表の時間通り、つつがなく発表会を終了することが出来た。
 聴衆に関しては朝から雨脚が強く、日中は少し小降りになったものの、これが災いしたか、メンバーが声掛けして、かなりの方がきてくださるのではとの予想もむなしく延べ4〜50人にとどまった。とはいえ、この人数は前回と比べても見劣りはせず、かなり善戦したものと思う。TIさんの小学校低学年の頃の恩師が聴きに来てくれたということを後でお聞きして感動した次第である。
 終演後、合同写真を撮ってゆめりあを出た頃には雨も上がり、二次会は吉祥ウインドアンサンブルのメンバー四人も加え、大泉学園北口の「楽市」で打ち上げをした。今回は家族の参加は無かったが、フルートをはじめさまざまな音楽にまつわる話で盛り上がった。

当日のプログラム


【第6回発表会の感想】

第6回発表会第6回発表会に出場された皆様から寄せられた感想文です。
掲載にあたっては、原稿受付順・敬称略といたします。
表題をつけてくださった方もおられましたが、編集の都合上、勝手ながら割愛させていただきました。
そのほかは極力、いただいた原文のまま掲載するようにしています(編集担当者)

○皆様、発表会お疲れさまでした。例年の事ながら、皆様のチームワークのお陰と感謝しております。今年は家族の事情で間際まで例会に出席する事が出来ませんでした。
 久し振りに聴かせて頂き、一際感じたことは皆様の音が充実して鳴っていた事でした。また、繰り返しの練習の賜物でしょう、驚くほど上達された方もいらして、その演奏に聴き入ってしまいました。大先輩のピッコロの演奏は集中力と気迫のある演奏に感銘を受けました。ひきかえ、私は昨年の失敗を繰り返してしまい、反省することばかりです。
 これからも初心を忘れずにより良い練習に励みたいと思います。(KR)
○当日は雨が降っていて、悪い予感が当たってしまった様で客の入りがいまいちであった。
ところでこのところ発表会と言うと私自身歳のせいか必ず体の調子が悪くなる傾向があり、そんな中での演奏、平常心でも上手く吹けぬのに皆さん聴いての通りの出来栄え! 終わってから落ち込む私です。
 今回はドアマンをやっていた事も有り舞台のソデから皆さんの演奏を聴いてつくづく難しい曲をよく吹かれるなと感心せずには居られませんでした。
 あと、終了後の打ち上げ楽しみにしていたのに出られなかったのが心残りでした。(SK)
○皆様大変ご苦労様でした。私は何もお手伝ひ出来ず申し訳なく思って居ります。なまじ手を出して足手纏いになってはと自粛致しました。又今回は会風にそぐはぬ異端爺ぶりを発揮し後悔して居ます。御免なさい、来場のお客様の中には年配の方も居られるかと、つい艶っぽい江戸小唄、戦時中の愛国行進曲の歌詞を書き、裏面に一瞬にして死亡、一夜にして丸裸の乞食同然になるかと思ふと心配の余り、あの様なチラシを書いてしまひました。たしかに音楽会にはそぐはない事でした。反省して居ます。次回若しまだ吹く元気が残って居ましたら、必ず音楽一筋に真面目にやりますから、今暫くの間お仲間に入れて置いて下さい。
 気の小さい大の男が緊張の余り3時に目覚め遅刻すまいと、8時前に夢有ホールに向かひました。体調と寝不足のまま何とか前座をこなし、またまた2次会をすっぽかし帰宅して直ぐ寝たのですが、両足が痙撃でふくらはぎが鰹節の様にかカチカチになって苦しみました。膝の痛みで運動不足でせうネ、前車の徹を踏まぬ様、皆様笛を吹くには体力が必要ですヨ。
 駄文を弄しました、私の今一番の悩みはビブラートを上手く着けられない事です。若くて美人で優しくて厳しい先生に「一寸おかしいからやめてご覧なさい」と宣はれて暫くになります。その後ピリオド奏法と言う言葉を知りましたが、偶然エマニュエル・パユのバッハのフルートソナタ全集のCDを人手しましたら、何とピリオド奏法で吹いて居るのですが、名人の演奏はノンビブラートと言っても所々に何んとも言へぬ緩い波がチョコット顔を出すのです。感極まったのでせうネ。昔 岡村先生に「感極まると出るからそれまで待ちなさい」と言はれた事を思ひ出します。ただ84才になった今、なかなか感極まらないので困って居ます。美部良ー人に悩む腹いせから今はタンギングと同時に直ぐトゥフフフを聞くと トホホホと歎き悲しむ弱々しさを感じる様になりました老いの一徹かしら‥‥「甘茶の癖に生意気な事を言ふナ」と天の声が響きさうです。
 閑話休題。持つ氏のクラリネット五重奏曲や協奏曲 素晴らしいですネ、あのノン・ビブラートで音吐朗々と吹き鳴らされると‥‥ピリオド奏法をピリオド打つまで追求して見やうと言ふ気になりました。最後に 又 老爺心(?)ながらピッコロ楽ですヨ、運指も息も楽だし、持ち運びも楽だし、楽々ずくめのおん楽です。 末期高齢者いや老後に備えて一管如何ですか 本心から出た冗談 皆様うかうか老獪の手に乗る勿れ
 王子の狐ことかわみ(川見 4416)
○気力・体力に不安を感じているわけではない。しかし1年半後、次の発表会で元気に笛を吹ける保証はどこにもない。何事にも今を大切に、という思いが最近とみに強まってきた。今回は演奏曲も約1年前に決め、これが最後とばかりに気合いを入れて練習した。いつもと違う心構えで繰り返し吹いたせいか、少々高い所でゲストに見つめられても、上がることもなかった。ソロの2曲については、坂井さんの伴奏にも助けられ、自己満足ながら練習とおりの演奏が出来た。
 一方デュエットは、例会で毎回演奏していくうちに曲の良さ、演奏のポイントも分かってきたものの、結局はいつものように、時間切れで本番に臨むことになってしまった。指は縺れ、音は掠れ、今回も相方のOTさんに迷惑のかけ通しであった。
 吉祥アンサンブルの賛助出演もあり、いつもとはひと味違った、よい演奏会だったと思う。
 小中高の同級生が毎回応援にきて、「いつまでも頑張れ」と励ましてくれる。私も含めメンバーは着実に高齢化していく。その中でこの楽しい会を存続し、発表会で気合の入った納得のいく演奏を続けていくには、ひたすら練習あるのみ、と悟った第六回発表会だった。(TI)
○ 初めて参加させていただいたMBです。発表会の一日は、3月に退職して「サンデー毎日」の生活を始めて以来初めての、どっと疲れた一日でした。
 MZさんに誘われて4月からナナカマドの例会に参加、調子に乗って、図々しくも6月の発表会に出させて頂きました。TIさん、OTさん始め、快く仲間として受け容れて下さった、メンバーの皆様に感謝します。
 会場のゆめりあホールは、初めてでしたが、縦長で適当な大きさ、笛も良く響き、アットホームな中々良いホールでした。楽屋で音出しが出来るのも良いですね。欲を言えばピアノがもう少し粘りのある響きを出してくれるものだと理想ですが、贅沢は言えませんよね。
 発表会で皆さんの演奏を聞いて、演奏会当日は皆さんが実に飄々として、スケジュール通りに自分の持分を着実にこなされるのを見てとても驚きまた感心しました。1ヶ月前のゲネプロ時点では、このまま行くと結構波乱があるのではと危惧しましたが、高年齢の方が大部分だというのに、演奏会に向けてどうやって上手く調整されているのでしょうか。特に84歳のご高齢なのに自ら編曲しピッコロで早いパッセージを楽しそうに演奏されるKMさんには驚いたと同時に、自分も頑張ればこの先20年以上も演奏を楽しめるんだと先の楽しみが大きく膨らみました。
 「ナナカマド」は演奏会上手というか、これぞ本当のアマチュア独奏団と言う感じです。これには、ピアノの坂井さんの全曲に亘ってのフォローの上手さが大きく効いている感じがします。坂井さん有っての…とも言われる由縁ですね。
 さて、自分の演奏ですが、選曲した、ゴダールの「組曲 三つの小品」は、タファネルに献呈され、タファネルのパリオペラ座管弦楽団の同僚アルベインも愛奏し、モイーズがゴダールの令嬢のピアノで演奏した、と弟子のベネットに語ったという、フランスのフルート界の歴史の中でそれなりの存在感を持った作品です。
 こんな曰くに惚れ込み、自分の非力も省みず一度は人前で吹いて見たいとの前々からの想いに駆られ、私としては実に十年振りの独奏発表会のチャンスに気負い込んで、サンデー毎日の二ヶ月の間に何とか追い込めるだろうと軽い気持ちで持ち込んでしまいましたが、舞台上でアガッテしまって、作品の意図を音で精一杯表現したいという日頃の想いからは遠く外れてしまいました。聴いて頂いた皆さんや伴奏してくださった坂井さんにゴメンナサイと謝りたい気持ちです。
 本当に久し振りの独奏発表を経験し、達成感は半分くらいでぐったり疲れましたが、これに懲りず、次回はもう少しまともな準備をして、余裕をもって発表会に望みたいと思っています。(MB)
○私は3回目の参加ですが、前回とは違う思いで、今回は来場者にフルートの音楽はいいねと感じて貰えるような演奏を目指しました。曲目も分かり易く美しいメロディのものを選びました。
 発表日までの1ヶ月はメトロノームを使って、伴奏に遅れないように、演奏が止らないように、暗譜が止ってもすぐ次がでるように曲を2小節単位や4小節単位に区切って反復練習を繰返しました。それは功を奏して、本番前に忘れる恐怖は全く持たずに済みました。後は一番重要な音色ですが、これはやはり問題が有りました。出だしの2小節が響きのある音でスタート出来ればそのあとはビブラートも好きに掛けられるし、音がしっかり出ていると指も簡単に回るのですが、何とかそう成ったのは最後のG線上のアリアだけだったと思います。インドの歌から吹き始めが響きの少ない音で、何とか音色を取り戻さないとイメージした演奏にならないと、楽器をひねったり唇をずらしたりしながら吹いていました。吹き終りまでそれを考えていたので、アガッタリ曲を忘れたりする暇は無かったのがささやかな救いです。
 練習時の演奏が100ならば本番は40ぐらいの出来で、何とかいきなり響きのいい音を出すのが今後の最大の課題です。尤も練時も5分ぐらい吹いていると、いい響きになるのでこれも問題ですが。皆様は私のような悩みは無いので、理解できないかも知れません。フルートの最大の魅力は普通の人からみれば、その音色ですからゴールウエイのようにアンコールで浜辺の歌やさくらさくらを演奏して感動させるのが私の理想です。その意味では今回の発表会は自分なりにひとつ成長したような気がします。次回は少しでもその目標に近づいて、感動のある演奏をしたいと思います。
 よく出来たと言われるよりは、良かったといわれる演奏を目指したいです。大言壮語ごめんなさい。(NT)
○ 発表会でどんな曲を吹こうか? 自分が演奏したい物は勿論だが、何を選んだら普段あまりクラシック音楽に関心の少ないお客さん達にも喜んでもらえるかを先ず考えて来た。その意味では、二重奏の「ウインナワルツ」と独奏曲の「スイスの羊飼い」は、いずれも親しみやすく覚えやすいメロディを持っているので、良かったと思う。
 さて実際の演奏だが、最初のカデンツァで躓き、最後のト長調になる直前でまたトチリ重症になるところを、伴奏の坂井さんの咄嗟の機転に助けられ、(決して軽症では済まなかったのだが)止まらずに終われた。坂井さんには大感謝である。今迄の発表会の中で今回は一番ヒドイ結果だった。自己採点すると、二重奏はまずまずの出来で60点。ソロは不合格の40点程か。
 TIさん、OTさんにはいつもお骨折りを戴いて、有難うございました。当日の落ち着いたKRさんのアナウンスとてもよかったです。ご苦労さまでした。(KY)
○年初のレッスンの折、先生から発表会では何を吹くのかと尋ねられたときには少々戸惑った。実家暮らしだった数年前と比べて、フルートの練習にかけられる時間とエネルギーが著しく限定されてしまう現在、無理なく取り組めることを第一に、軽い小曲を選ぼうと考えてはいたものの、目先の所用に追われる日々の中、半年も先の行事のための具体的なプランなど、まるで持たなかったからだ。選曲は決めていないことを伝えると、それならこの曲はどうかと薦められたのが、ドニゼッティのソナタだった。
 7〜8分間に及ぶこの曲は、そのとき漠然と考えていた「軽い小曲」の範疇に収まるものではない。正直なところちょっと重荷になるかもしれないなと思いつつではあったが、せっかく先生からの推薦であるし、そのままこの曲に取り組むこととした。指の回らないところはやはり最後まで追いつかないままだったが、当日の演奏はまあ満足していいものだったかなと思っている。
 一方の「ウィーンの森の物語」は、レッスンを兼ねて前々から何度も合わせていただいた、これまた長大な曲である。本番では数ヶ所のリピートを削除することとしたが、冗長さを払拭し軽快な雰囲気を前面に引き出すために、これが奏功したかもしれない。リハーサルのときよりも、格段にうまく演奏できたように思う。客席から見ていた両親も「二人ともとても楽しそうに演奏しているのが感じられて、よかった」と言ってくれた。細部の至らない点はともかく、聴き手に好意的な印象を与えられたのであれば、自分としては満足である。(KI)
○自分が書いた過去の発表会の感想を読み直してみた。反省点が書き連ねられているが、どの項目も全て今回の発表会にも当てはまってしまう。じつは正直に言うと、この1年半で自分なりにそこそこ進歩したと思っていたので、人前でもなかなか良い演奏が出来るのではなかろうか、とそれなりに期待していたのだ。しかし、いざ演奏が終わってしまうと、前回の発表会の時と、まったく同じ感想を持たざるを得ないのだ。現実は厳しく、自分がまったく上達していないという事実に直面せざるを得なかったというのが今回の感想である。次回発表会までに克服しなければならない課題は山積している。(OT)
○発表会というと安全圏をねらって、舞台の上で落ち着いて吹ける選曲をして来たここ何年かを反省し、失敗なしでは済まないであろうムーケの「パンの笛」、今まで通りゆったりと歌えそうなゴーベールの「マドリガル」、フルートアンサンブルでも吹奏楽でも少しかじったことのあるチャイコフスキーの「くるみ割り人形のワルツ」など、最初に予定した曲は3曲ほどありました。
 最終的に最も余裕のない「パンの笛」だけになりましたが、この曲の最大の問題はテンポアップでした。ゴールウェイは3分台で吹いているのですが、5分までかからず吹けるようになるのが目標でした。吹奏楽、フルートアンサンブルなど、吹けもしないのに独奏や合奏の譜面を山のように抱える私はあくせくしながら、それでもこの曲の練習を欠かすことなく何ヶ月かを過ごしていました。
 そういう日々の中で、「くるみ割り」のような音楽は独奏より合奏の方が楽しいのではないか、という気持ちが強くなり、参加している吉祥ウインドアンサンブルのグループメールに「私の発表会で一緒に吹いてもらえないかなあ」というようなことをほとんど独り言のように書いたところ、若者が多いフットワークの軽さで話が進み、実現の運びとなりました。それとほぼ同時期にフルートアンサンブルの仲間であるMBさんが入会されることになり、入会早々ではあるけれどぜひ発表会に参加を、と思い、余裕があるとは思えない演奏時間を切りつめるために、例会での発表で十分な「マドリガル」もやめ、「パンの笛」だけにしようと決めました。1曲だけでよい、と思ったのは、自分の時間を削ってでも発表会に新しいメンバーや違った雰囲気の演奏が欲しい、という強い気持につき動かされたためと「パンの笛」の練習だけで充実していたためだと思います。
 大切に練習を続けて来た結果は予想通り失敗が多かったですが、動揺せず一気に吹くことができ、吹奏楽は細かい気遣いに満ちたメンバーのお陰で、演奏する楽しみを思い切り味わうことができた、ぜいたくな発表会でした。(MZ)

                           短信34号(2009.7.19発行)より
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