平成16年10月24日(日)第44回「ナナカマド」例会が開催され、全く久しぶりに(恐らく例会としては3年振りではないか)会の創設者の一人、KTさんが参加された。しかもフルートならぬチェロを抱えて・・・・。
ダラスから戻られた後は、奥様と山登りに精を出し、月に二・三回は各地の名山に登頂されているという。一生の趣味であるフルートは暫くお預けで、当分はチェロと山登りに専念したいとのことだった。チェロは図体がでかく、二次会の居酒屋には持ち込めない。そのため懇親会は不参加であったが、例会では小野田さんのトラベルソ、J.S.
バッハのソナタ第5番を伴奏された。フルートが当分お預けなら、ここしばらくはチェロを担いで、是非お顔を見せていただきたい。
17年1月開催予定の第3回発表会が、だんだん近づいてきた。出演者には当日の演奏曲を事前に申請して貰い、それをもとに作成されたプログラム案が、準備委員長のOTさんから提示された。前回同様、発表会プログラムの調整会議と称し、飲兵衛三人が阿佐ヶ谷の居酒屋に集合し、二度にわたって熟慮検討した成果である。今回の発表会は前回に較べ、特に女性メンバーの演奏が少ないので、小野田さんの知人の方にも賛助出演頂き、会を盛り上げて頂くことになっている。提案されたプログラム案は基本的に了承された。
次回例会は本番一週間前となるので、今回から本番曲の演奏をする人、まだゆとりがあるのか新曲に挑戦する人と、様々だった。私など発表会でやろうと思っている曲を、半年以上例会や研修会で吹いているのにまだ仕上がらない。それなのに、この時期新曲に挑戦出来る人は一体どうなっているんだ、と羨ましいやら情けないやら。
発表会に向け、体調に留意し練習に励むことを約し散会となった。別れ際に今年の活動にけじめをつけるため、忘年会をやろうという提案があり、幹事にその段取り役が振られた。忘年会は一年の納め、ゼネコン育ちにとって冠婚葬祭と宴会・接待ゴルフの段取りは必修科目であり、中でも飲み会の段取りは小生唯一最大の得意科目であるので、張り切って対応させてもらった。
平成16年は、猛暑・大雨・台風等の異常気象、震災・奇異な犯罪多発等、世の中いろいろあり、穏やかならぬ一年であった。
私の周辺にも、この秋いろいろな出来事が起きた。短信11号でベルリン在住の友を訪ねたことを紹介した。中学時代からの親友で、オペラ・コンサートを聴き郊外を共に散策し、また彼の教え子の女子学生と楽しい飲み会を開いて一週間過ごしたのが、丁度一年半前の6月であった。その男が10月末に逝ってしまった。いい友・できる男ほど先に死んでしまうのか、と悲しく残念な気持ちでいっぱいだ。また大好きな銀座、その銀座で二十数年通い続けたなじみのクラブが店を閉じた。銀座を愛する人間も高齢化して第一線を退き、気力・体力・そして資金力も衰え、銀座を支えていけなくなったのだろう。また世の流れの中で、後継の若手は意識も多様化し、我々好みの銀座には寄りつかないことが、様変わりの原因につながっているのかも知れない。
忘年会は暮れも押し詰まった11月23日、阿佐ヶ谷の「春日」という信州料理の居酒屋で開催された。先に述べたプログラム調整会議を実施した店である。何の変哲もない飲み屋なのだが、美人女将がいることで連夜賑わっている。我々が足繁く通う理由のひとつも、この女将にある。ピアニストの坂井さんが風邪をこじらせ、当日になって欠席の連絡が入ったため、参加者は男性のみ5名であった。少々寂しい気もしたが、飲んで騒げば人数など関係なく、女将の酌で酒が進むほどにぐんぐん盛り上がっていった。
今年のナナカマドを、皆で振り返ってみる。会創立当初からのメンバーだった高木正男さんが7月に亡くなられた。毎回送付している短信を受け取られた奥様から、年末に御連絡頂いて知った。15年7月の第二回発表会には、病をおして車椅子で応援に来て下さったのだが、ナナカマドへの参加はそれが最後になってしまった。ガツガツ吹きまくるタイプでなく、笛も人生を楽しむ一つの道具、と何か悟りが開けたようなひょうひょうとした笛吹きだったように思う。ご冥福を心からお祈りしたい。
また今年は女性軍の退会、欠席が目立った。短信14号でも報告したとおり、家族の介護・看護等による練習時間の不足・外出時の不安等で、レッスンにも通えず例会にも参加できないという状況では、とてもフルートどころではないというのが、その理由である。まことに残念ながら、やむを得ないことであり、いつか時間のできたときに来ていただくのを待つしかない。
一方何年振りかで二人の新入会員を迎えた。4月に木村さん、7月にKRさんがメンバーに加わった。是非フレッシュな感覚で、ナナカマドを引っ張っていって頂きたい。KMさんは忘年会にも参加いただき、おじさん4人にいびられながらも臆することなく、堂々と酒を飲み笛を語り、全く頼もしい限りである。会の立ち上げ以来十年が過ぎ、当時のメンバーがそのまま十歳年をとり、さてこれからどうしようかと皆で悩んでいた矢先、新入会されたお二人への期待は大きい。
世間にもナナカマドにもいろいろあった平成16年だったが、よく笛を吹き、よく酒を飲み、それなりに充実した良い年だったという共通認識で、忘年会はお開きになった。
短信16号(2005.1.23発行)より
| 当日の演奏曲目 |
|