若輩者ですが |
木 村 岳 文 |
私が小学2年生の頃のことです。音楽の授業の一環として、市民ホールへ赴いての音楽鑑賞会がありました。市民を中心とした趣味的な楽団による演奏に過ぎないとはいえ、大きなホールでオーケストラの演奏を聴くこと自体、私にとっては初めての経験でした。演奏の良し悪しなど当時理解できたはずもないし、ましてや十数年を経た現在、曲目を記憶してさえもいないのですが、私はこの演奏会に感謝しなければなりません。ここで幸運にもフルートという楽器の存在を知ったことが、今もってその演奏を趣味としている、最初のきっかけだったのですから。
この演奏会には、子供たちを退屈させないための趣向として、『ここに並んでいるいろいろな楽器をひとつずつ鳴らしてもらって、その音を聞き比べてみよう』というお遊び企画が用意されていました。決してパワフルな音量を持たないため、オーケストラ演奏の中ではその存在にも気付かずにいた「フルート」という楽器。その思いがけず美しい音色に、このとき強い印象を受けたことを、今でもよく覚えています。
その後まもなく、フルートを習いたいと言い出した私。数ヶ月後には、地元の音楽教室で、小山先生のご指導を受け始めることになります。ろくに練習もしないでレッスンに行ったりする出来の悪い生徒でしたが、辛抱強く面倒を見てくださり、その後大学卒業まで、途切れることなく続けて来られました。そして大学を卒業した昨年以来、さすがに毎週というわけにはいかなくなりましたが、月に1〜2回、ご自宅でレッスンしていただいているのと共に、先生ご自身が参加されている「ナナカマド」の会に紹介していただく幸運を得ることができたのです。1月にゲスト参加してみた結果、自分自身が人前での演奏に慣れる機会として、またそれ以上に、多くの先輩方の演奏やお話を聴くことができる貴重な機会として、とても魅力的に感じましたので、4月の例会を機にさっそく入会させていただきました。
例会では、師の恥とならないよう、スマートな演奏を披露したいところなのですが、もともとの練習不足に重ね、人前で注目を浴びながら吹くことに不慣れなこともあり、なかなか満足な結果が得られません。下手な演奏を聞かされる皆様にはご迷惑かとも存じますが、そこは若輩者の特権、「これからの成長に期待」ということで、大目に見ておいてくだされば幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
(初出:ナナカマド短信14号/2004年7月4日)