フルートの楽しみ

呉  順 子


 私のフルートとの出会いは、二十代の後半、音楽教室に勤めていた頃です。前々号に投稿された木村さんのように、フルートに魅せられて始めたのではなかったようです。
当時は、何か楽器が演奏できたらと漠然と考えていました。フルートは息を吹き込み、暖められ共鳴する、とても身近な楽器と思い、始めたように思います。
 それから、数十年が経ってしまいました。その半分の年月は、諸々の事情もありお休み状態でしたが、四年前からレッスンを再開し、またフルートと向かい合えるようになりました。
 フルートという楽器は、作音楽器の中でも、殊に難しい楽器のように思います。クラリネットなどリードのある楽器は、いとも簡単に音が出ているのに驚いたことがありますが、フルートには管を鳴らし、音色をイメージして音をつくる楽しさや喜びがあり、夢中で頭部管を鳴らし、レッスンを始めたように記憶しております。
 他の様々な楽器にも興味がありますが、私は楽器に拘らず、音が大好きで、取分け、人間の歌声が好きです。時々、歌のコンサートにも出掛けます。オペラや歌曲などですが、透明感のある、瑞々しい明るい高音や、深く穏やかな暖かい低音で、音楽を豊かに表現出来たらと、いつも思いながら帰ってまいります。音色というように、音は色彩をイメージさせますが、逆に、絵画や情景などからも旋律が浮かんだりすることもあります。フルートは歌のように言葉で表現出来ないため、伝えたい気持ちをどの様に表現するかがこれからの課題です。
 私にとってフルートは、とても遠い道のりでした。長い時間をかけ、楽器が少しずつですが、応えてくれるようになったのは、最近のことです。やっと、入口を見つけた感じです。まだまだ、呼吸のこと、指のこと、リズムなど、問題が山積ですが、先生に励まされ、遅蒔きながら「前進あるのみ!」です。一曲、一曲、丁寧に譜読みをする大切さが、今、身に沁みてわかってきました。いつの日にか、きっと探していた音を見つけ、歌を唄うように吹けたらと思いつつ、焦らず楽しみながら、練習しているこの頃です。
 ちょうどよい時期に「ナナカマドの会」に参加させて頂くことになり、皆様から刺激を受け、より楽しくフルートが上達出来ればと願っております。宜しくお願い致します。

(初出:ナナカマド短信16号/2005年1月23日)

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